北海道大学
名誉教授

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特別顧問
服部 昭仁

特別顧問就任にあたって

北海道大学理類、教養部を経て農学部蓄産業学科に進学し、ここで受講した畜産物を生化学的に
解説する講義を通して食肉に大きな魅力を感じ食肉学科の研究室を選択しました。
研究室入室後、卒業論文研究でスタートしてから大学を退職するまでの長期間に亘って取り組む
ことになった研究テーマは、「熟成に伴う食肉の軟化機構」でした。
昔から食肉業界では、家畜のと畜後、枝肉で貯蔵した食肉のほうが、骨から外して貯蔵する食肉より軟らかいことが実験的に知られていましたが、科学的には実証されませんでした。
このことを科学的に実証することが私の卒論研究の課題となりました。
その結果は日本化学会の英文誌であるJ.Biochemistry に掲載されましたが、私の研究が公に認められた
最初の論文であり、私自身の進路に大きな影響を与えました。
その後の進展により、熟成に伴う食肉の軟化は、筋線維中のカルシウムイオンの増加による筋原繊維の
構造の脆弱化によって惹起されること、また当時、食肉の熟成中に結合組織の構造は変化せず、
死後硬直の解除に結合組織は関与しないと考えられていましたが、
細胞消化法という新しい技術を用いた研究により結合組織の構造が食肉の熟成に伴って大きく変化し、
この変化も食肉の軟化に直接的に関与していることを明らかにしました。

卒論研究で研究活動に興味を持つようになった私は、大学院に進学いたしました。
毎日、遅くまで研究室にこもって実験に没頭していた1970年3月の深夜に突然の腹痛・意識不明となり
救急車で当番病院に運ばれ、腹腔内大量出血で即手術となりました。
原因不明の奇病でその際の大量輸出が原因となってC型肝炎を発症し約1年の入院、退院後は親元に帰り
大学院も休学となりました。1年間の休学後、大学院に戻って研究を再開しましたが、
無理を許されない病気の性質上、その後の研究生活は常に体調と相談しながら進めざるを得ず、
研究生活は質量共に格段に低下しましたそれでも研究室のスタッフや教授の励ましに支えられて
上記の研究成果を収めて農学博士の学位を取得しました。
C型肝炎はその後も私の体を蝕み、北大を定年退職後に1年半に亘って実施した
インターフェロン治療によってC型肝炎ウイルスが私の体から完全に駰遂されたのは
2012年食肉内科学技術研究所に奉職中のことであり、実に42年間に亘ってC型肝炎に悩まされました。
大学院博士課程を修了した私は、東京慈恵会医科大学の法医学研究室で助手・講師として勤務しました。その後、北海道大学農学部の助手として母校に復帰後は北大を定年退職するまで
再び「食肉に関する研究」に取り組みました。この間、文科省派遣の特別研究員として
米国California大学Davis校(UC.Davis)でBiotechnologyの先端技術を学んできました。
大学の定年退職が2年後に迫った時に、全く想定していなかった農学研究院長(学部長)を仰せつかり、
自らの研究活動も研究育成の課題も不可能になりこれをもって我が研究生活も
万事休すと思っていました。ところが北大を退職後に肉食科学研究技術研究所から
常勤理事就任の依頼があり、以後常勤理事として2年間理事長として2期4年間の計6年間に亘って大学の研究室とは異なる研究環境で再び研究に関わることができました。
食肉科研では、食肉や食肉製品の風味は何故熟成によって醸成されるのかという課題に取り組み
多くの新しい知見を得ることができました。
食肉科研理事長引退後も、引き続きこれまで培てっきた食肉に関する知見を
食肉関連業界に還元したいと思っていましたが、2018年1月にすでに肝臓の広い範囲に移転し
学科的治療が不可能な末期のすい臓癌と宣告されました。
全く想定しなかった抗がん剤治療により副作用に悩まされながら、
限られた人生を「生涯現役」を目指して有意義に過ごすことに努めております。

末期癌宣告を受けた私は、医療食同源や薬膳という言葉に関心を持つとともに
関連する健康食品やサプリメントに興味をもち、様々な書籍を読んだり健康食品の説明会に
出席するようになりました、その一つがパレソワカの移動店舗でした、
パレソワカでは担当者だけでなく山野社長や目野部長からもご助言をいただきました。

北海道大学名誉教授  服部昭仁

昭和44年 北海道大学農学部卒業
昭和51年 北海道大学院農学研究科博士課程修了 農学博士
昭和51年 東京慈恵会医科大学講師
昭和55年 北海道大学農学部助手
平成02年 北海道大学農学部助教授
平成07年 米国California大学Davis校(UC.Dvais)特別研究員
平成11年 北海道大学農学部教授
平成19年 北海道大学大学院農学研究院研究院長・農学部長
平成19年 全国農学系学部長会議会長
平成19年 日本食肉研究会長
平成20年 日本食肉加工協会・食肉科学技術研究所理事
平成21年 北海道大学定年退職 名誉教授
平成24年 一般社団法人食肉科学技術研究所 常務理事
平成24年 一般社団法人食肉科学技術研究所 理事長
平成28年 一般社団法人食肉科学技術研究所 理事長退任
現在   一般社団法人食肉科学技術研究所 理事
現在   公益社団法人日本食肉格付協会  理事
現在   一般社団法人日本食肉加工協会  理事
現在   北海道食文化研究会会長
      全国4食肉関係会社の顧問を務める